「Ecoを考える」8限目:太陽光発電に興味のない方も

今回は、5限目の18行目「実際には、電力会社が買い取ってくれるのでこのような事は起きていませんが、・・・」の続きの話です。

 太陽光発電で売電をしている世帯に電力会社から支払われるお金は、実は電気を引いている全世帯から徴収されています。北陸電力の電気料金領収書を見ていだだくとわかりますが、太陽光発電推進付加金の項目がこの徴収額になります。この付加金は、現在1銭/kWhですが、平成24年度の4月から4銭/kWhに引き上げられます。
 例えば、オール電化住宅で冬場の一ヶ月の使用量が2000kWhの家庭の場合、太陽光発電推進付加金は現行20円から4倍の80円になるのです。(現在1銭/kWhが、平成24年度の4月から4銭/kWhになります。)

これはいったいなぜでしょうか?

 太陽光などの再生可能エネルギーを促進したい国は、買取り価格を42円/kWh(今年度)と定めています。しかし、電力会社側からすると、太陽光発電で家庭から供給される不安定な電気の価格は、42円/kWhよりずっと低いのです。

このため、太陽光パネルで売電をしている世帯が増えるにつれて、電力会社は自分の懐だけで買取金をまかなえなくなってしまいました。そこで、太陽光発電推進付加金と名づけて、買取り金額の不足分を電気を引いている全世帯から徴収することで帳尻を合わせることにしたのです。

今後、太陽光パネルを設置する世帯が増えるにつれ、太陽光発電推進付加金は上がります。
一方で買取り価格は下がり、来年度は36円/kWhになる予想です。大手ハウスメーカーは太陽光発電を謳い文句にして業績を上げようとしていますが、この現実を理解しながら堅実に家造りを検討していくことが大切です。

 今回のおまけ・・・北陸電力から、下記のお知らせがありました。
太陽光発電推進負担金に加えて平成24年7月から新たな負担金が徴収されます。 
【平成23年8月に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立し、平成24年7月から、太陽光発電に加え、風力やバイオマス等を用いて発電された電気を電力会社が買い取る「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートします。平成24年7月からは、これまでの太陽光発電推進付加金に加え、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づく買取費用を電気使用量に応じて全てのお客さまにご負担いただくことになります。制度の詳細や単価が決まり次第、あらためてお知らせいたします。】
このお知らせを読んで先ず思ったことは、「また電気を使っているみんなで帳尻合わせに強制参加か」ということでした。

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