「Ecoを考える」9限目:エアコンの2種類の除湿方式について

エアコンの除湿方式には、弱冷房除湿方式(安価な機種)と、再熱除湿方式(高級機種)の2種類があります。
外気温が高い時は、どちらの除湿方式でも十分な効果があります。しかし、梅雨時期などの雨が降って室温があまり高くない時は、弱冷房除湿方式は除湿に伴って室温が下がり、寒く感じます。一方、再熱除湿方式(高級機種)は、高級機種ならではのハイテク技術が詰まっているので、除湿をしながら室温を維持できます。

 下記に、この2種類の方式について詳しく書きます。
●弱除湿冷房方式は、普通の冷房よりも冷気の発生量が少なくなるようになっています。
この方式は冷房を弱運転するイメージなので、電力量は冷房運転より15%程少なくなります。
しかし、除湿をしながら、ひたすら弱い冷房運転をするので、室温が2~3℃下がってしまう場合があります。
また室温が下がり過ぎると除湿ができなくなるという欠点もあります。
最近は、不快に感じないように、室温を自動的にコントロールできるプログラムが内蔵された機種も出ています。

●再熱除湿方式は、除湿運転を行った際に発生した冷気を、室温に近い温度に加熱してから吹き出します。
この冷気を加熱する過程は、昔はヒーター加熱で電力量がかかりましたが、今はエアコンの圧縮機からの排熱を再利用して加熱しているので、電力量はかなり抑えられるようになりました。とは言え、同じ室温に設定した場合、この方式は、電力量が冷房運転より10~20%程多くなります。
しかし、人間には、室温が1℃上がっても湿度が15%下がると温度変化を感じないという体感特性があります。エアコンは、室温を1℃上げると消費電力量が約10%減りますから、設定温度を1~2℃上げて除湿を行うと、結果的に冷房運転と同じ電力量で、カラッとした快適な空間を作ることができるのです。
この方式は冷え性の方にとってもすばらしい機能です。室温が下り過ぎずに、湿度をコントロールして下げてくれるので、とても快適に過ごすことができます。

下記が再熱除湿方式の付いた機種です。購入の際に参考にしてください。
●パナソニック・・・「Xシリーズ、SXシリーズ、Vシリーズ」
●日立・・・白くまくん「Sシリーズ」
●三菱・・・霧が峰「ZWシリーズ」
●三菱重工・・・ビーバーエアコン「RSMシリーズ、SLシリーズ」 
●シャープ・・・「B-SXシリーズ,A-SXシリーズ」
●富士通・・・「nocria Zシリーズ」
●東芝・・・大清快「JDRシリーズ、JDTシリーズ、JDXシリーズ、JVシリーズ、DRNシリーズ」
●ダイキン・・・「Rシリーズ、Sシリーズ、DXシリーズ、Fシリーズ」 

 室内が同じ温度で、消費電力の少ない方をエコと考えると 弱除湿冷房方式のほうが再熱除湿方式よりも省エネになります。しかし、快適性を加味すると、若干消費電力がかかりますが、再熱除湿方式のほうが身体にやさしい方式と言えます。
 エアコンは、除湿運転の使い方によって快適性や電気代に違いが出てきますので、自宅のエアコンの除湿方式を把握して、上手に使うことをお薦めします。

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